サッカー好きだと将棋の棋戦システムがわかりやすい

今年の夏、ひょんなことから将棋を観るようになったのですが、プロ棋士の大会すなわち棋戦はたくさんあるし幾つかのグレードやシステムもあって、結構わかりにくいと思うんですね。でも僕はサッカー好きでずっと観ていて、サッカーの大会システムと将棋の棋戦には似たところもあると感じていて、それにより棋戦システムの理解がしやすいと思ったんです。
まずは名人戦順位戦。プロ棋士がA級からC級2組までの5つのクラスに分かれて年間を戦うリーグ戦。これはサッカーでいうならメインのリーグ戦、明治安田生命J1からJ3、その下のJFLなどにあたります。将棋の順位戦A級は基本的に10人で1回総当たりのリーグ戦なのですが、下のクラスになると棋士の数が多く、総当たりではなく抽選で対戦相手を決めて年間10局くらいの対局なのがサッカーとは少し違うところ。それぞれのクラスを1年間かけて戦って昇降格があるのはサッカーと同じ。そしてA級の首位になった棋士が名人への挑戦者となって現名人との7番勝負に挑む訳ですが、そういったタイトル防衛の概念はサッカーにはないというか、J1のチャンピオンが翌年のリーグ戦を戦わないということはないので、そこは少し違うところ。他の将棋のタイトル戦もタイトル保持者は翌年の挑戦者を決める戦いには出ません。
次に竜王戦。将棋の棋士プロフィールには上の順位戦の在籍クラスが書かれていますが、それともうひとつ竜王戦の在籍クラスも書かれています。竜王戦順位戦のように1組から6組まで6つのクラスに分かれていて、昇格と降格があります。これはサッカーでいうとヨーロッパのクラブチームがチャンピオンズリーグに出るのか、その下のグレードのヨーロッパリーグに出るのかみたいなことだと理解できます。ただサッカーのようにリーグ戦の順位とリンクしているチャンピオンリーグ出場権と違い、将棋の順位戦竜王戦はリンクしていないので、順位戦竜王戦のクラスに大きな差があるということはあり得るみたいです。
名人戦順位戦竜王戦を含む8大タイトルが将棋にあるので、その他のタイトル戦もサッカーでいうならルヴァン杯天皇杯のようなカップ戦だと思うと、すんなり理解できました。
さて、先日羽生さんが竜王のタイトルを奪取して永世竜王の資格者となり、前人未到の永世7冠を達成したことが話題になりましたが、これはサッカーでいうとユニホームのエンブレムに付く星のようなものです。セリエAユベントス、ユニホームのエンブレムの上には星が3つついていますが、これはセリエAスクデット獲得すなわち優勝回数が通算10回ごとに星をひとつ付けていきます。ユベントスは優勝回数が33回なので星が3つという感じ。僕がセリエAを見始めた時はユベントスの星は2つだったので、そこから優勝を重ねて星が増えたことになります。セリエAの他のクラブで星がついてるのはACミランインテルくらいなので、星をつけることができるクラブはごく限られています。
羽生善治竜王が達成した永世7冠もタイトルごとに永世称号の規定が連続何回とか通算何回とか違いはあるものの、エンブレムの星に近いものがあります。なので羽生竜王がユニホームを作るとしたら胸には7つの星がついていることでしょう。他の棋士でいうと将棋連盟会長の佐藤康光九段は永世棋聖の資格者なので、ユニホームには星ひとつって感じですかね。セリエAのクラブだって星ひとつ付けるだけでも大変なのに、羽生竜王は7つ付くなんて、とんでもない記録だってことがわかります。
ということで、サッカーと将棋の大会システムが似ていると思ったので、すんなり将棋にハマってしまったのでした。